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【第84回】返済猶予をお願いする前にCFOが確認する3つの数字──“準備なく頼まない”ことが信頼の第一歩


銀行や取引先に「返済を待ってほしい」とお願いするとき、最も重要なのは“言い方”ではなく“準備”です。


多くの経営者が「誠意を伝えれば理解してもらえる」と思いがちですが、実際の金融機関は数字の裏付けがない説明には応じません。


CFOが現場で交渉に入る際、必ず最初に確認するのは、次の3つの数字です。


✅ ① キャッシュ残高(いま実際に使えるお金)


まず見るのは**「今いくらあるか」ではなく、「今使えるいくらか」**です。

銀行口座に残高があっても、手形や引落し予定があれば実際に使える金額は限られます。CFOはここを明確にして、次のような会話を避けます。


「まだ1,000万円残ってるじゃないですか」「そのうちの半分は支払い予定分です」

金融機関は“残高”ではなく“運転余力”を見ています。だからこそ、**「このキャッシュであと何日もつか」**を即答できるように準備します。


✅ ② 月次キャッシュフロー(入出金のタイミング)

「入金があるから払える」は誤解のもとです。CFOが見るのは、**“入金のタイミングと出金のズレ”**です。

  • 〇月15日:売掛入金予定 1,200万円

  • 〇月20日:支払予定 1,500万円


このように、入金より支払いが先であれば、短期的な資金繰り圧迫が起こります。

ここを把握していないと、「入金があるのに資金が足りない」という構造的ミスが繰り返されます。


CFOは、資金繰り表を用いて日単位で入出金を見える化し、「いつ・どこで・いくら不足するか」を正確に把握します。


✅ ③ 借入返済スケジュール(金融機関別)

返済猶予の交渉で必ず求められるのが、**「どの借入を、どれくらい猶予してもらいたいか」**という明確な数字です。

CFOは、すべての借入金を一覧化し、金融機関別・返済日別・金額別に整理します。

金融機関

借入残高

月額返済

返済日

担保・保証

日本政策金融公庫

2,000万円

40万円

毎月15日

無担保

○○信用金庫

1,200万円

30万円

毎月25日

保証協会

△△銀行

3,500万円

70万円

毎月5日

担保あり


この一覧があることで、「どの金融機関に、どの程度の調整をお願いするか」が明確になり、感情ではなく構造的な再生交渉が可能になります。


⚙️ CFOが交渉を始めるときの基本姿勢


  1. “お願い”ではなく“設計”として話す → 「一時的に返済を止めたい」ではなく、「この構造であれば回復できます」と提案。

  2. 全体像を隠さない → 他行の借入や支払状況を開示し、信頼を失わない説明を。

  3. 数字で語り、誠実に進める → 数字を根拠に話せば、相手は冷静に判断できる。


CFOの役割は、「言い訳を並べること」ではなく「再建の道筋を示すこと」です。

💼 Capital Bridge Advisoryの執行役員CFO支援

当社では、執行役員CFOとして、資金繰り改善・金融交渉・リファイナンス設計を行っています。返済猶予や再交渉が必要な場面で、経営者とともに現場へ入り、金融機関や債権者との説明を設計・支援します。


業務委託型CFOとしてお力になれます。お気軽にお声掛けください。

💬 最後に

金融交渉で最も信頼されるのは、「誠意」ではなく「数字」です。

数字で語ることができれば、相手はあなたを“救済の対象”ではなく、“再生のパートナー”として見ます。


Capital Bridge Advisoryでは、資金繰りの再設計から返済猶予の戦略まで、CFOが伴走します。

あなたの「再生」を、確かな数字で支えます。




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