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【第65回】当座貸越を“使わずに持つ”という戦略——経営リスクを減らす信用枠の設計


経営が順調なときほど、資金の備えを軽視しがちです。

しかし、取引先の支払い遅延や急な仕入れ拡大など、「たった一度の資金ショック」で経営が傾くことは珍しくありません。


そんなとき、**“借りなくても安心できる”**資金枠を持っていると、経営の安定性は格段に上がります。

それが——当座貸越契約です。


✅ 当座貸越とは?


当座貸越(とうざかしこし)とは、金融機関とあらかじめ契約を結び、決められた上限(貸越限度額)まで自由に借入できる仕組みのことです。


💬 例:「1億円の枠を契約 → 必要なときに2,000万円だけ使う」

つまり、都度の審査を受けずに、“いざという時の資金を即座に引き出せる”安心枠なのです。


💡 「使わない当座貸越」が最も理想的


理想は、契約だけ結んで使わないまま維持すること。金融機関との信用関係を維持しつつ、万一の際には即座にキャッシュを確保できます。


💬 例:

  • 仕入先が突然「前金払い」に変わった

  • 大口の入金が1週間遅れた

  • 緊急の設備修繕や広告費支出が発生


こうした状況でも、当座貸越があれば即対応可能。“資金ショックを防ぐ保険”として機能します。


✅ プロパー契約で枠を確保するメリット

当座貸越には「保証協会付き」と「プロパー(単独)」があります。結論から言えば、プロパー契約で枠を取るのが理想です。

項目

保証協会付き

プロパー(金融機関単独)

審査主体

保証協会+金融機関

金融機関単独

保証料

発生する

なし

限度額

企業1社あたり2億8,000万円(普通保証2億円+無担保保証8,000万円)


※組合は4億8,000万円まで

銀行判断で柔軟(1億円超も可)

スピード

審査に時間

枠内で即利用可能

柔軟性

低い

高い(部分利用・分割返済も可能)


💡 補足:別枠保証制度も存在しますセーフティネット保証など、特定目的のための「別枠保証制度」は、この上限に加えて利用できる場合があります。


ただし、用途や要件が限定されるため、一般運転資金とは別管理が必要です。

保証協会付きで当座貸越を設定すると、その分の金額が**信用保証協会の保証枠(2億8,000万円)**を消費します。


したがって、保証付きで当座貸越を多く設定してしまうと、後から新しい保証付き融資を受けたいときに枠が足りなくなる可能性があります。


そのため、理想は

「当座貸越はプロパーで契約し、保証協会の枠は別の目的に温存しておく」という戦略的な組み合わせです。

💬 当座貸越の“賢い使い方”

💡 例:1億円の当座貸越契約がある→ 実際に使う予定は2,000万円だけ

この場合、当座貸越のある金融機関とは別の金融機関で、2,000万円分の融資を申請しておくのがベストです。

なぜなら、当座貸越の利用枠を実際に使ってしまうと、その分の「枠」が減り、緊急時の即応力が下がるためです。


つまり、

「当座貸越は使わずに持つ」「使う場合は別口の融資で補う」という二段構えが、最も安定した資金設計になります。

⚠️ 注意点

  • 枠があるだけでも「融資残高ゼロ」ではなく契約残高として扱われる場合があります。

  • 枠の維持には金融機関との信頼関係が必須。

  • 利用実績がないまま何年も放置すると、「見直し」や「再審査」が入るケースもあります。

💡 定期的に担当者と面談し、


「あくまで備えとして持っている」という意図を共有しておくのが重要です。

🚀 Capital Bridge Advisoryのサポート


当社では、

  • 当座貸越の枠設計(適正額・契約形式)

  • 保証協会枠・プロパー枠の最適配分シミュレーション

  • 他行とのバランスを取った資金調達プラン設計を行っています。


「資金を借りる」のではなく、“信用を持つ”ことで経営を守る設計を実現します。


💬 最後に


当座貸越は、借入ではなく「信用力の証」です。実際に使うことよりも、“持っていること自体が安心材料”


プロパーで枠を取り、保証協会の枠を温存しながら、別の金融機関との連携で資金設計を立てる。これが、資金調達における最も強い布陣です。


Capital Bridge Advisoryでは、当座貸越・融資枠設計・保証枠活用の戦略立案を着手金なしで対応可能です。初めての方でも安心してご相談ください。


あなたの「想い」を、形にする最初の一歩をサポートします。



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