【第70回】商工中金の“新株予約権付融資”——デットとエクイティの中間を取る新しい資金調達
- capitalbridge2001
- 2025年10月15日
- 読了時間: 4分
スタートアップが一定の成長フェーズに入ると、「資本を増やしたいが、株式の希薄化は避けたい」「VC調達の前に、安定的なデットファイナンスを組みたい」というニーズが生まれます。
その間をつなぐ存在が、**新株予約権付融資(エクイティリンクローン)**です。商工中金では、まさにこの“デットとエクイティの中間”を狙った仕組みを提供しています。
✅ 新株予約権付融資とは?
新株予約権付融資とは、金融機関が融資を実行すると同時に、その企業の株式を将来的に取得できる権利(新株予約権)を受け取るという仕組みです。
つまり、金融機関は「貸す」だけでなく、「将来の成長にもリターンを得る」形でリスクを取ります。
💬 一言で言えば、「融資+将来の株式リターン」で企業と共に成長する融資モデル。
💡 商工中金がこのスキームを扱う理由
商工中金は民間金融機関と異なり、**「中堅・中小企業の成長を支える公的金融機関」**として、“資本性”や“事業性”を重視する支援に力を入れています。
新株予約権付融資は、単なる貸出ではなく企業の潜在価値を評価して投資的に支援する仕組みです。
このような制度を扱えるのは、商工中金・産業革新投資機構(JIC)・一部地銀・VC提携ファンドなど限られたプレイヤーのみです。
⚙️ 仕組みのイメージ
項目 | 内容 |
資金提供形態 | 融資+新株予約権(オプション) |
返済期間 | 5〜10年(資本性融資と同様) |
担保・保証 | 原則不要 |
権利内容 | 一定条件で金融機関が株式を取得できる権利 |
評価方法 | 企業価値(DCF・マルチプル法など)を基準に設定 |
対象企業 | スタートアップ〜ポストシリーズA以降の成長企業 |
💡 金融機関が“株主にならない”のがポイント。あくまで将来の株式取得権利を保有するため、経営への影響や議決権の移動は発生しません。
✅ スタートアップにとってのメリット
① 希薄化を防ぎながら資金調達できる
株式発行を伴わないため、創業者持株比率を維持できます。
② VC調達前後の“ブリッジ資金”に最適
シリーズA〜Bの間など、次ラウンド前の資金繋ぎとして柔軟に利用可能。
③ 融資+株式リターン構造により、審査基準が緩和される
銀行側も将来のリターンを見込むため、通常融資では通りにくい「赤字期・投資フェーズ」でも実行されやすい特徴があります。
💼 活用事例(モデルケース)
企業概要 | 課題 | 商工中金対応 | 結果 |
AI×SaaS企業A社 | VC調達前に開発資金が不足 | 5,000万円の新株予約権付融資 | プロダクト開発完了後にシリーズA成功 |
医療Tech企業B社 | 設備資金が重く、負債比率が高い | 資本性+新株予約権付ローン併用 | 自己資本比率改善、評価額上昇 |
製造DX企業C社 | 投資家の希薄化懸念 | 商工中金+地銀連携枠(1億円) | VCと併用で2億円資金調達成功 |
⚠️ 注意点
企業価値算定(Valuation)が必要となるため、スタートアップ会計・財務モデルの準備が必須です。
融資契約時に「将来の株価上昇を想定した条件設定」が行われるため、交渉戦略(株価レンジ・条件文言)を慎重に設計する必要があります。
VCや他行との資本関係に影響を与える場合があるため、事前調整・法務確認も重要です。
🚀 Capital Bridge Advisoryのサポート
当社では、
商工中金・地銀向け新株予約権付融資の交渉・申請サポート
バリュエーション(企業価値算定)・条件設計支援
VC調達・J-KISS・SAFEとの整合性チェック
必要に応じた業務委託型CFOとして貴社のCFOとして(交渉代行)支援も別途有料で行っています。
商工中金との面談同席、交渉資料の作成、将来株価レンジの設定まで、実務に即したサポートが可能です。
単なる金融仲介ではなく、「デット×エクイティの設計」を通じて、企業価値を最大化するのが当社の役割です。
💬 最後に
新株予約権付融資は、資金調達の“第三の選択肢”です。
株式発行ではないのに、投資的な柔軟性を持つ。融資なのに、成長リターンを共有できる。
まさに「借入でも出資でもない、中間領域の金融」。成長を加速させる企業にとって、これほど相性の良い制度はありません。
ご希望のお客様はお気軽にお問い合わせください。 状況を確認させていただきながら、最適な資金繰りサポート支援が出来ればと存じます。
👉新株予約権付融資は、一般的な融資とは異なり、専門的な財務設計と書類上の交渉力が求められる案件です。
そのため、当社では着手金を頂いたうえで、スキーム構築から申請・実行までを丁寧にサポートしております。
貴社の成長ステージに最適な形でご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
あなたの「想い」を、形にする次の一歩をサポートします。

