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【第80回】債務超過でも調達できる資本性ローン──金融が“評価”に変わる瞬間


「債務超過だから融資は無理」と言われたことがある経営者は多いと思います。しかし、それは“通常融資”の話です。


実は、債務超過の企業でも調達可能な融資制度が存在します。それが、**資本性ローン(劣後ローン)**です。


この制度を正しく理解し、戦略的に活用することで、企業は「融資が止まった状態」から「再び投資を呼び込む状態」へと変わります。


✅ 資本性ローンとは?


資本性ローンとは、返済順位が低く(=劣後)資本とみなされる融資のことです。

つまり、「借入金」でありながら、金融機関や他の投資家からは**“資本の一部として評価される”**仕組みになっています。

項目

通常融資

資本性ローン

元金返済

定期返済あり

最長20年間返済なし

利息

固定または変動

業績連動制(金利変動)

貸出主体

公庫・商工中金など

公庫・商工中金など

会計上の扱い

負債

資本性(自己資本と同等評価)

他行からの見え方

借入金

資本増強と評価

つまり、“負債”なのに“資本”として扱われる特別なローンなのです。


💡 債務超過でも調達できる理由


通常の融資では、債務超過企業は「返済余力がない」と判断されます。しかし資本性ローンは、返済を後回しにできるため、事業再建や成長投資に資金を集中させられます。


  • 元金返済は最長20年間不要

  • 業績が悪化した場合は金利が下がる仕組み

  • 公庫・商工中金の制度として利用可能


特に日本政策金融公庫の「挑戦支援資本強化特別貸付」では、国民生活事業(別枠7,200万円)・中小企業事業にて最大15億円まで対応可能です。


さらに、借入から5年間は資本として100%カウントされるため、他行が「この会社は財務が安定している」と評価しやすくなります。


⚙️ CFOが関与することで生まれる3つの違い


① 資本性ローンの“設計”を誤らない

資本性ローンは、単に申請するだけでは通りません。「資本性である根拠」と「返済能力の説明」の両方を、ロジカルに資料で示す必要があります。CFOは、これを財務モデル+経営計画+出口戦略で構築します。


② 他の金融機関との整合を取る

資本性ローンを導入すると、他行の見え方が変わります。CFOは、保証協会・地銀・信金・公庫の各視点を整理し、「この資金で経営が安定する」という全体設計図を共有します。


③ 次のファイナンスに繋げる

資本性ローンは“最終手段”ではなく、“次の資金調達の布石”。CFOはこれを使って、次のエクイティ(株式調達)やVC出資への橋渡しを行います。

CFOは「借りる」よりも「資金の見え方を設計する」専門家です。債務超過企業を“投資可能な企業”に変える、それがCFOの仕事です。

🧭 資本性ローンが有効なケース


  • 一時的に債務超過・赤字が続いている

  • 成長投資事業転換のタイミングにある

  • VC投資やM&Aを将来的に視野に入れている

  • 保証協会の枠がすでに上限に達している


これらの状況では、資本性ローンが「時間を稼ぐ」だけでなく、財務を再設計するための猶予期間を与えてくれます。


💼 Capital Bridge Advisoryの業務委託型CFO支援


当社では、資本性ローンの設計・申請・交渉を含め、CFOとしての財務再構築・再調達支援を一気通貫で行っています。

支援内容:

  • 公庫・商工中金の資本性ローン申請資料作成

  • 債務超過企業の財務再構築・事業計画設計

  • 他行との資本性評価整合・協調融資設計

  • 将来的なVC・M&A向け財務整理

資本性ローンは、ただの借入ではなく、“経営再生の時間を買うための戦略”です。その時間をどう使うか──そこにCFOの価値があります。

💬 最後に

債務超過は、経営の失敗ではありません。むしろ、構造を見直し、再設計するチャンスです。

そして、資本性ローンは「立て直す企業」にこそ使うべき制度

CFOがその設計を担うことで、資金調達は「不可能」から「実現可能」へと変わります。


Capital Bridge Advisoryでは、別途有料にて業務委託型CFOとして、債務超過・リスケ後の資本性ローン戦略を構築します。初めての方でも安心してご相談ください。



あなたの「想い」を、形にする次の一歩をサポートします。



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